ずっとファッションの仕事にも関わってきたけれど、
やっぱり世界のファッションの中心のひとつは、原宿なんじゃないかと思う。
原宿には、本当にいろんなファッションがあるよね。
「コンサバ」「カジュアル」「ストリート」「フェミニン」「ガーリッシュ」「ボーイッシュ」……
ほかにも、まだまだたくさんある。
原宿って、ある意味ではガラパゴスなのかもしれない。
そこには、はっきりとしたヒエラルキーもない。
ゴスロリ、プレッピー、ヒッピー、ロック……。
誰かが「これが正解だ」と決めたわけでもなく、
誰かの真似をして上を目指すわけでもない。
それぞれが、それぞれの「好き」を大切にしている。
決して、ハイブランドの物真似なんかじゃない。
そこにあるのは、もっと自由で、もっと自分らしい個性なんだと思う。
でも……
じゃあ、いったい何がいいんだろう。
どこに惹かれるんだろう。
うまく言葉にはできないけれど、
ラジオから歌が流れてきて、ふと「いいな」って思うことがある。
どこがいいのか、自分でもよくわからない。
でも、なぜか心に響く。
もしかしたら、音符どおりに正確に歌ったり、演奏したりしていないからなのかもしれない。
譜面どおりじゃなくてもいい。
ほんの少しのズレや、揺らぎがあるからこそ、
人の心に届くこともある。
そう考えると、人生も同じなのかもしれないね。
何もかも完璧じゃなくていい。
少しくらい不器用でも、
人と違っていても、
うまくできないことがたくさんあってもいい。
「あの人は、不得意なことばかりだな」
そう思っていた人が、実はたったひとつの得意なことを、誰よりも深く持っていたりする。
そして、その「たったひとつ」が、
いざというとき、とても頼りになったりする。
だから、もしかしたら……
何でもできる人たちが集まったグループより、
「これしかできない」と思っている人たちが集まったグループのほうが、
ずっと強くて、あたたかいのかもしれない。
誰かの苦手を、別の誰かの得意が補う。
誰かの足りないところを、別の誰かがそっと支える。
そんなふうに人は、ひとりでは足りないからこそ、
誰かとつながっていけるのかもしれない。
ファッションにも、いろんな「好き」があるように。
人にも、いろんな生き方がある。
そして、幸せにも、いろんな形がある。
誰かにとっての幸せが、
自分にとっての幸せとは限らない。
だから、比べなくてもいいんだと思う。
自分には自分の、
あなたにはあなたの、
ちゃんと心に響く幸せがある。
幸せの種類も、みんなそれぞれ違うから……。

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